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著書紹介

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漱石のヒロインたち―古典から読む

  • 著者:増田裕美子(二松学舎大学文学部)
  • 出版社:新曜社
  • 四六判、264頁、3,200円+税
  • ISBN:978-4-7885-1529-1
  • 発売日:2017年6月15日

著書の内容

 漱石作品に登場する魅力的なヒロインたちはどのように誕生したのでしょうか。英文学者としての学識はもちろんのこと、幼少期からなれ親しんだ日本の古典文学への造詣も深かった漱石。本書はヒロイン像を中心として、従来の漱石論には見られなかった、漱石作品と日本の古典文学との関わりを論じたものです。
 とくに漱石が傾倒していた能楽・謡曲(謡【うたい】)の影響は大きく、ヒロイン像だけでなく、『坊っちゃん』や『こころ』など他の作品の成立にも深く関わっています。
 本書ではほかに『源氏物語』や『方丈記』などの古典と漱石文学との関わりについても考察しています。
 目次は次の通りです。

はじめに

  1. 第一部 漱石のヒロインたち
    1. 第一章 『虞美人草』の「紫の女」
    2. 第二章 『行人』のお直をめぐって
    3. 第三章 『それから』の三千代――百合の表象
    4. 第四章 『三四郎』の美禰子をめぐって
  2. 第二部 漱石文学と古典
    1. 第五章 漱石と『方丈記』
    2. 第六章 『門』の美的世界
    3. 第七章 「坊っちやん」という謎――『坊っちやん』と義経伝説
  3. 第三部 『こころ』をめぐって
    1. 第八章 『こころ』に描かれた「時」
    2. 第九章 「私」との対話

あとがき

(文学部国文学科 増田裕美子)
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