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著書紹介

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五経入門―中国古典の世界

  • 著者:野間文史(二松学舎大学文学部)
  • 出版社:研文出版・研文選書
  • 選書版 339頁 3,024円(税込)
  • ISBN:978-4-8763-6374-2
  • 発売日:2014年3月発行

著書の内容

 漢帝国の最盛期武帝時代より以来二千有余年、20世紀初頭の辛亥革命が起こるまで、中国の学術の中枢にあって、常に高い価値を与えられてきたのが「経書」でした。その中身が「五経」(易・書・詩・禮・春秋)です。後世の宋代になり、「四書」(論語・孟子・大学・中庸)の編成が追加され、さらに「十三経」(周易・尚書・毛詩・儀禮・周禮・禮記・春秋公羊伝・春秋穀梁伝・春秋左氏伝・論語・毛詩・孝経・爾雅)のセットも生じますが、あくまで「経書」は「五経」が中心でした。
ところで、先に「経書」が中国の学術の中枢にあったと述べましたが、まことに意外なことに、その重要性にもかかわらず、この半世紀を超える間、我が国では「五経」の学術的概説書として竹内照夫氏『四書五経 中国思想の形成と展開』(東洋文庫 1965年)が唯一有るばかりです。
そういう実情を踏まえ、私は前任校(広島大学文学部)で、長い間「経書概説」という題目で講義をしてきました。本書はそのうちの「五経」について、基本的事項のみならず、先端の研究をも展望しつつ、できるだけ平易にと心がけて解説したものです。

学生の皆さんへ

 本書の「はじめに」で以下のように書きました。

 本書の読者として想定しているのは、広く中国の古典文化(思想・文学・歴史)を学ぶことに志した大学生、さらには、すでに中国学を専攻している大学院生である。「経書」とは何か。「経書」について理解しておかねばならない基本事項を記述することに主眼を置いたつもりである。「入門」と題したけれども、冀わくば読者諸賢をして門の中より、さらに奥の院まで導きたいものである。
 もとより本書は中国の古典文化に対する教養を求める日本学の学生や一般読者、また中国学の専門家を排除するものでは決してない。ただ一般読者の方々にとっては専門的に過ぎるとのご批評、専門家の方々からは独断や説明不足だとのご指摘を受けることを恐れるのみと云爾。

 まるで二松学舎大学の学生の皆さんに向けて書いたようですね。

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