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著書紹介

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生きる力がわく「論語の授業」――史上最強の指南書をやさしく読み解く

  • 編著者:江藤茂博(編)・牧角悦子・中根公雄・久米晋平・町泉寿郎・高山節也・鷲田小彌太
  • 出版社:朝日新聞出版
  • 新書版 208頁 1,100円+税
  • ISBN: 978-4-4023312500
  • 発売日:2013年11月7日発行

著書の内容

 二松学舎大学は、1877年(明治10)に設立された漢学塾が出発です。江戸時代には個性的な漢学塾が全国各地にありましたが、明治期に入ると近代的な学校にスタイルを変えて生き残ろうとします。漢学塾としては、二松学舎は後発かもしれませんが、いち早く近代的な学校にスタイルを変えることができました。そうであっても、漢学塾としての伝統は、現在の文学部中国文学科での研究と教育に脈々と受け継がれています。
 本書は、その伝統を広く高校生や大学生に向けての「論語」入門としてまとめられたものです。本書では、実際に中学高校生に向けて二松学舎大学文学部の教員スタッフが講義した内容を、わかりやすい文章にしてみました。ただ、より一般向けにするために、全七章の内の最後の章だけを、西洋哲学との比較というテーマにして、哲学者の鷲田小彌太さんからの新たな原稿を加えることにしました。
 本書の紹介としては、その帯に「二松学舎大学で大好評のセミナー『論語の学校』が書籍化。『論語を現代にどう応用できるか』をテーマに、アニメ・社会問題・家族・学校問題などを例題にしながら論語を読み解ける。…」と書かれています。執筆した者各自が、それぞれ研究の立ち位置からの視点を『論語』に向けた結果だと思います。

章題と執筆陣は、第一講座から並べると、以下の通りです。

  • 論語ガイダンス――孔子とアンパンマンの教え江藤茂博(国文学科教授)
  • 「孝」について考える――大人社会の「秩序」とどう向き合うか牧角悦子(中国文学科教授)
  • 孔子の「仁」に対する思い――わが人生に後悔なし、と言い切るために中根公雄(中国文学科非常勤講師)
  • 孔子と人間の可能性――志あるところに、道あり久米晋平(中国文学科助手)
  • 論語読み・事始め――むかしの読み方で『論語』を読む町泉寿郎(中国文学科准教授)
  • 『論語』にみえる孔子の本音――追い続けた理想と現実の狭間で高山節也(中国文学科教授)
  • 論語と西洋哲学-孔子とプラトンが見つめた人間の本性鷲田小彌太(哲学者・評論家

学生の皆さんへ

 「論語」テクストの「訓読」も含めた伝播の文化史、孔子の人物像、孔子の思想と西洋哲学との比較、こうしたさまざまな切り口からの誌上「論語の学校」へぜひご招待したいと思います。さらに個人的なことを書き加えると、楽しくそして分かりやすく読めて、そこから論語の思想の本質に迫ることができるようにと、編者としては工夫したつもりです。(江藤茂博)

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