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著書紹介

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大江匡房――碩学の文人官僚

  • 著者:磯 水絵(二松学舎大学文学部教授)
  • 出版社:勉誠出版株式会社
  • 四六判、282頁、3400円+税
  • ISBN978-4-585-22009-1 C3021
  • 2010年12月9日発行

著書の内容

 平安時代後期の門閥貴族社会にあって、実力で正二位権中納言、大宰権帥にのし上がり、白河院政において力を発揮した時代の寵児・大江匡房は、学者であり、歌人であり、また、説話の談話者でもありました。そのマルチな才能をもった人物、大江匡房の伝記を、説話研究、日本音楽史学研究者の立場で紐解いてゆこうとしたのが本書です。
その説話研究者の立場を明確に示した「匡房伝を記す前に」に続く目次は以下の通りです。

  1. 第一章 匡房の辞書的人物伝―匡房略伝―
  2. 第二章 歌人としての匡房―その家系―
  3. 第三章 匡房、恩顧の人々―「暮年詩記」より―
  4. 第四章 匡房の周辺―『続本朝往生伝』より―
  5. 第五章 匡房の生きた宮廷社会―『江次第』より―
  6. 第六章 匡房と音楽―当時の宮廷儀礼と音楽について―
  7. 第七章 随筆家としての匡房―
  8. 第八章 匡房の言談―「江談」の世界―
  9. 第九章 まとめ―『大日本史』の世界―

 本書に先行する匡房伝、川口久雄の人物叢書(吉川弘文館)との大きな相違は第三章、及び第六章にあります。前者には匡房を取り巻く人々のことを、後者にはこれまでかえりみられることのなかった匡房の音楽への造詣の深さを描いていますが、それは他に類を見ない、音楽史を研究する著者ならではの言及です。ぜひ、一読していただきたいと思います。

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