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著書紹介

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場面で学ぶ韓国語 韓国ドラマ「愛の群像」より

  • 著者名:塩田今日子・印省煕
  • 出版社:朝日出版社、2012年1月15日発行
  • B5版 118頁

本書の内容

 大学の授業1年間(30回)で韓国語の文字と発音、基礎的な文法が段階的に学べるように作られたテキストです。本文は韓国ドラマ「愛の群像」の中の、初級の学習にふさわしい場面から選びました。また、基本単語は練習問題の中で学ぶことができます。

本書の意義

 語学の学習に大切なことは何でしょうか? それは、意味を正しく把握することだと私は思います。言葉の意味を正しく把握するためには、どんな場面で、だれがだれに言った言葉なのか、話し手と聞き手の年齢、性別、お互いの関係はどうなのか、などを知らなければなりません。普通の語学テキストに出てくる一般的な会話の多くは、それらのことが曖昧だったり、抽象的だったりするので、会話のイメージが把握しにくく、覚えるのに苦労することが多いのではないでしょうか。

それらの問題を解消するため、このテキストでは、ドラマの場面を本文に使うことにしました。映像を見ればどのような状況で話されたかが一目瞭然です。また、俳優の台詞に感情がこめられているので、単語の意味を感覚的につかむのに助けになります。そのように感覚的に正しい意味を覚えた単語は、実はいろいろな場面で応用が利くものなのです。

苦労したこと

 まず、私が一番好きなドラマ、「愛の群像」の中から、初級の学習にふさわしい場面を選び出すのが大変でした。俳優は、初級で習うことだけをしゃべってくれません。当然、習わないことも入ってしまうのですが、それがあまり多くなると学習者はつらくなります。なるべく難しい単語や文法事項が入らない場面を選びましたが、全然入らないというわけにはいきません。それでその部分は字を小さくして訳をつけることにしました。けれどもその結果、初級だけでは易しすぎるという学生も飽きずに学べるようになり、かえってよかったかもしれません。

 一番大変だったのは、大学の授業で映像を学生たちに見せることができるようにするために許諾を取ることでした。

 ドラマの制作者である韓国MBCと契約を結ぶのはもちろん、出演している俳優一人一人から映像を使用する許可をもらわなければなりませんでした。最初はこちらの趣旨を正しく理解してもらえなくて苦労しましたが、最後には全員が「日本における韓国語教育の発展に助けになるのであれば喜んで」と許諾してくれました。その過程で何人かの俳優と電話で話すことができて面白かったです。(文学部国文学科 塩田今日子)

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